lithiumflower出張所

リハビリなどなど

安曇理工科大学の人々(仮)

年々歳々 2 (終)

編集中だった文書の上書き保存が完了したのを確認して、中嶌は大晦日に漬けた胡瓜をつまみつつ、焙じ茶を飲む。梶原を帰してからもなんのかんのと口実をつけて入り浸っていた岡田もさすがに大晦日には実家に帰ってしまい、部屋は静かだ。 実家はさほど遠くは…

年々歳々 1

そろりと扉を開けて、小声で声をかける。 「ただいまー」 返事はない。当たり前だろう。今は深夜とも明け方ともつかない午前三時。よほどでなければこんな時間帯に起きている家族はいない。というか、自分もそこまで遅い時間まで起きている予定はなかったの…